自己紹介

今回の記事をとにかく後に残せるような資料にしたい。

2014年9月18日木曜日

天声人語「痛恨時からの出直し」 2014年(平成26年)9月13日

天声人語は美しい日本語で書かれているらしいので、
それを信じ、真面目に読み解きます。

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2014年(平成26年)9月13日 1面
 http://www.asahi.com/paper/column.html
天声人語

 まっさらな紙に記事が印刷されて、世の中に出ていく。新聞社で働く者の喜びであり、ささやかな誇りでもある。しかし昨日の紙面は、朝日新聞にとって痛恨のものとなった。報道にたずさわる一人として、身が縮む。同僚だれもが同じ心情だと思う。



 当コラムの執筆を任されたころ、敬愛する先輩に言われた。引き継がれてきた1本
のろうそくに、毎日毎日、火をともすように 書く仕事だ、と。小欄だけではない。新聞づくりそのものが、社員全員が真摯(しんし)な気持ちで、日々に新たな火をともす仕事である。



 言論の自由の保障が、日本国憲法にもある。人間の歴史がこの自由を獲得するまでに、どれほどの血が流れ、苦闘があったことか。その理念を尊び、死守すべき言論機関として、慰安婦問題をめぐる池上彰さんのコラム掲載を見合わせたのは最悪だった。



 気に入らない意見や、不都合な批判を排した新聞は、もう新聞ではない。「あなたの意見には賛成しないが、あなたがそれを言う権利は命をかけて守る」。古来の至言が、信頼もろとも紙面上に砕け散った思いがした。



 「吉田調書」については、今年5月の小欄でも取り上げている。初報記事とともに「命令違反」の表現が誤っていたことを、おわびいたします。



 砕け散ったもののかけらを、時間はかかっても拾い集める。そして信頼を一から作りなおしていく。深く自省する中で、朝日新聞が言論の一翼を担っていく気構えには揺らぎがないことも、あわせてお伝えをしたい。

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 http://www.asahi.com/paper/column.html

--------------------------以下は私の意見です--------------------

 最近の天声人語は新聞の文字が大きくなったのにあわせて、段落を▼で分けるようになったのでしょうか、という感想が一つ。

 そして、▼の前には「。」をつけないで文字数を稼いでいるんだという感想がもう一つです。

 文章としては、どうもすっきりしないので、上の文章ではそこには手を加えました。


 文章ですが、やはり冒頭の表現から非常に気になる表現があります。それは「痛恨」です。

どうしても、謝ったことが「痛恨」だった。(本当は謝りたくなかった)と感じて仕方がないのは、
私が「つうこんのいちげき」世代だからなのでしょうか。

 「痛恨」の意味は「ひどく残念がる」「たいへん恨みに思う」です。

そして根も表現は前日の木村社長の文面では「誤った内容の報道となったことは痛恨の極みでございます。」と原発の報道に関して用いられた表現です。

 やはり、昨日の紙面を非常に残念に思うのであれば、それは誤った報道を行った、
言論弾圧を行ったことではなく、そのことがばれて謝罪せざるを得なかったことが残念だったと筆者は感じていることになります。


 それともう1点、この文章で注目すべきは謝罪の内容が一つ減っていることです。

 今一度文章を読み返してみてください。

 ①慰安婦問題をめぐる池上彰さんのコラム掲載を見合わせたのは最悪だった。気に入らない意見や、不都合な批判を排した新聞は、もう新聞ではない。

 ②「吉田調書」については、今年5月の小欄でも取り上げている。初報記事とともに「命令違反」の表現が誤っていたことを、おわびいたします。

いつの間にか、慰安婦問題の訂正が遅れ、謝罪をしなかった内容が、池上さんの記事の中に取り込まれ、問題点が2つに減されています。

 本当に謝りたくないこと、隠さなければいけないことをさらに大きい謝罪で覆い隠そうとしています。

8月5日の記事を思い出してください。

あの中で朝日新聞は3つの訂正を行いました。
 i) 強制連行を示す証拠は見つかっていないこと。(慰安婦の定義にかかわります)
   このことを追及されると、「いや、広義の強制性はあった」と必ず切り替えしていました。

 ii) 済州島で強制連行をした吉田証言は虚偽であると認めたこと。
   この点は取材が足りなかったと言い訳し、取材不足の反省で乗り切ろうとしました。

 iii) 慰安婦と挺身隊を意図的に混用したこと(慰安婦の規模にかかわります)
   当時は資料が少なく混同したと言い訳しました。

昨日の社長の会見では
慰安婦に関して謝罪したのはii)だけです。

そして今回の天声人語では、その慰安婦すらも池上彰記事掲載拒否の中に混ぜ込みました。
今の時点、彼らが(誰かに知られたくないことは)i)やiii)であることは明白です。

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